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Viaje en Perú -Dia 2 Lima~Cusco- (後半)

Viaje en Perú
Dia 2 Lima~Cusco
(27 Avril 2013)

予定の13:20に先ほどのパティオに集まる。僕の部屋は一階だったので、部屋を出ればすぐパティオだ。やはり、ほとんどの人は寝ていたようだが、元気な男子2名は昼食を取ったらしい。僕はそれほどお腹も空いてなかったので、昼食はパス。そのまま、ミニツアーに出ることにした。

ミニツアーは基本バスで移動する。僕らのツアー9名のほかに、日本人ツアー客が20名くらい参加していただろうか。結構大勢の日本人だけのツアー。これもなかなかのものだ。ガイドをするのは、先ほどの僕らのガイドさん。まずは、市内にある「コリカンチャ」という、クスコの昔の王宮跡(現在は博物館)を見学。その後、街の中心地「アルマス広場」(ペルーの中心地にはこのアルマス広場(軍隊広場)という名前がやたら多い)にあるカテドラルへ向かう。この2点間はバスで移動したし、それほど歩いたりはしていないのだが、やはり何となく空気が薄いのを感じる。少し息苦しいような感覚。僕は、中学の頃長距離をやってたりしたし、割と長い呼吸には慣れているのだが、意識的に長い呼吸をしないと、苦しくなってきそうな感じがある。気をつけながら呼吸をして、これらのスポットを見て回る。コリカンチャは、さすがクスコの宮殿だっただけあり、クスコの建物の特徴でもある紙一枚通さない石組みとか、台形に空けられた窓とか、インカの文明で大事にされてきた宗教的モチーフとかを、説明付きで見ることができ、なかなか勉強になった。裏庭から見たクスコの町並みとその背景の山々の風景も忘れられない。その後に訪れたカテドラルはそれほどでもなかったが、このアルマス広場では、また夜に来た際に、もっと感動的な風景と出会うことになる。

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市内観光はこの2か所で終わり、その後は郊外の遺跡へと向かうことに。僕らを乗せたバスはクスコの市街地からさらに坂を登っていき、「サクサイワマン」という要塞跡に。ここには、かなり巨大な石を使って作った遺跡があり、それもやはりインカならではのピッタリと組まれた建築術によって作られている。さらに、クスコの街はピューマの形をかたどって作られており、このサクサイワマンはその頭部に当たる場所にあるという説明も受けた。なかなか興味深い遺跡である。インカはなかなか謎というか、すごい文明だったと改めて思う。しかし、この遺跡、広く開けた場所にあるので、直射日光がこれまたすごい。すでに時間は16:00くらいになっていたと思うが、日差しは相当キツく、サングラスがないと、なかなか厳しい。さらに、空気が薄くて、歩くのもキツくなってくる。実際、この遺跡で具合が悪くなった女性が2名ほどおり、彼女たちはかわいそうにこのあと、バスから降りないまま、一日を終えることになる。

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遺跡には物売りの姿もある。昨年のメヒコでもそういう状況には慣れていたので、特にどうということはないのだが、ペルーの人達は、メヒコ人のように押し売り的な販売攻勢をかけてこない。何となくシャイなのだ。そういう姿を見ると、逆に何か買ってあげたくなる。あるおばさんの差し出したリャマのアクセサリー、1個100円(3ソル)くらいだというので、お土産用に3つほど買う。すると、そこにほかの売り子のおばさん達が集まってくる。わあー、だからもう買ったんだって、ごめんね! しかし、いっしょのツアーにいた男子などは、おばさん達がつれていたリャマといっしょに写真を撮ったりしていた。なんでもチップとして2ソル(60円くらい)を渡したという。どうもチップとしてはそれくらいが相場らしい。


再びミニバスに戻ってくると、2人ほど具合が悪そうな日本人の女性ツーリストがぐったりしていた。高山病であろう。僕だって少し無理をすると、クラクラきそうだ。それなりに体力には自信があるし、街道歩きウォーキングとかやってるので、すぐに息が上がることはないが、普通に体力のない若い日本人の女の子だと確かにキツいかもしれない。すぐにでも宿に帰って横になりたそうだが、彼女たちもツアー参加なので、外に出ないまでもツアーが終わるまではこうやって付き合わなければいけない。かわいそうに。

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その後、ミニバスは「サクサイワマン」からさらに山を登っていき、ケンコー、プカ・プカラ、タンボ・マチャイというインカの遺跡を見て回った。どれもそれほど大きな遺跡ではないので、遺跡としてはそれほどおもしろくはなかったが、素晴らしかったのは、すでに夕暮れ時を迎えていたクスコの山間の風景を高いところから見られたことだった。特にプカ・プカラから見た夕暮れのクスコ渓谷は、昼間のまばゆいばかりの太陽の光の下とは違って、また違った表情を見せるていた真っ赤に燃える山々。その眼前に広がるクスコの街。まだ、ペルーに来てから24時間も経っていないのに、僕はペルーに来てよかったなーと心底思い始めていた。

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最後のタンボ・マチャイを見終えた頃には、すでにあたりは暗くなっていた。ペルーも日は長いほうだが、山間のクスコあたりは夕暮れが早い。それでもすでに18時は回っていたと思うので、当たり前と言えば当たり前か。僕ら一行を乗せたミニバスは再びクスコの街へと坂を下っていき、30分くらいで街に到着した。さすがに昨日から寝不足だったので、帰りのバスではつい眠ってしまったが、気がついたらすでにクスコの中心部、アルマス広場だった。アルマス広場のあたりでは、ガイドさんが、この風景を見てください!と言う。見れば、盆地の底にあるクスコの街から、四方の山々に向かって登っていく街灯の灯りが、まるできらめく星のようではないか! 思わずそこにいた全員が「うわー、きれい!」と叫んでいた。本当にそれは、これまで見たことのないような夜景だった。クスコという街は奥が深い。昼間と夜ではまったく違った顔を見せる。先ほどの夕暮れも素晴らしかったが、今の夜景も素晴らしい。ああ、なんてステキな街なんだ、クスコ!

ホテル「ムナイワシイン」には19時前くらいに到着したと思う。でも、この日のプログラムはこれで終わりではない。このあと20:00から、先ほどのアルマス広場沿いのレストランで、フォルクローレショーを見ながらのディナーがセッティングされているのだ。こういうのもまさにツアーならではだが、一人ではなかなか行かないところなので、それはそれで楽しみでもある。あと、僕自身、フォルクローレが好きなので、単純に音楽を聴いてみたいという欲求もあった。部屋に戻り軽くシャワーなどを浴びてから、再びロビーに集合。迎えに来たミニバスでレストランまで送ってもらう。

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レストランに入ると、すでにショーは始まっており、僕らはステージの近くの結構いい席に通された。食事はビュッフェ形式になっていて、結構美味しそうな料理がたくさん用意されていたので、僕はお腹も空いていたし(昼抜きだったし)、結構がっついて盛ってきたのだが、ほかのメンバーを見ると、あまり食べないらしい、お酒もペルー名物ピスコサワーがサービスだったので、喜んで飲んでいたが、ほかの人はそれほど手をつけていない。聞いてみたら、どうも皆さん高山病が心配みたいだった。実際、メンバーのうちの男子1名は、ここに来る直前にホテルで酸素ボンベのお世話になっており、肉は食べるな(消化が悪いので)と言われていたらしく、ほんの少しばかりの野菜類で我慢していた。高山病予防には、食べ過ぎ・飲み過ぎはよくない(脳に行くべき血流が胃腸に行ってしまうため)とガイドブックにも書かれているし、ガイドさんも言っていた(初日は肉は控えた方がいいとか)ので、みんなその言いつけを守っているようだが、僕はすっかりそんなことは忘れていた。人生は楽しまねば。わはは。

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フォルクローレの演奏もなかなかよかった。この店はクスコでは有名なのか、お客さんも満員で、なかなか盛り上がっていた。料理も美味しかったし、一人だったら調子づいてワインとか頼んでたところだったけど、僕もさすがに飲み過ぎはまずいと思っていたので、炭酸水で我慢する。1時間くらいそうやってディナーを楽しんでから店を出る。21:00くらいにはお迎えのバスが来ることになっていた。ただ、店を出てもまだバスは来ていなかったので、僕は少し歩いて、アルマス広場の向かいにあるカテドラルのところまで行ってみた。先ほどバスの中から見た夜景を何とか写真に収めたかったのだ。カテドラルの入り口は少し高くなっている。そこに行って、アルマス広場とその背景に広がる山麓の街灯、そして月を写真に写す。本当に美しい光景だ。写真では本当は伝わらないのだが、何とか思い出に残そうと頑張って夜景を写真に収める。でも、本当に焼き付けておきたかったのは、自分の心にだ。暗い空に向かって延びていくようなオレンジの光の点。あそこにも、わびしいながらも人々のつつましやかな暮らしがある。そして、その光景を、地球の反対から来た東洋人である僕が見ている。なんだか不思議な感覚だが、ここクスコではそういう感傷も許される空気がある。すでに夜中だが、広場には危険な感じの雰囲気はみじんもない。みんなそれぞれに夜を楽しく過ごしている。クスコって、ペルーっていいところだなとしみじみ思う。アルゼンチンともメヒコともまた違った空気がここにはある。ラテンアメリカのひと口に言っても、本当にいろいろだ。

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やがてお迎えのミニバスが来て、僕らはホテルに戻った。しかし、今夜ものんびりは寝ていられない。明日はいよいよこのツアーの目玉であるマチュピチュに向けて旅立つわけだが、ホテルを出るのは何と朝の4:15! それまでに朝食を済ませてロビーに集合というわけなので、遅くとも3:30には起きなくてはいけない。すでに時刻は21:30を回っている。そもそも昨日から寝不足だし、高山病予防にもなるべく寝ておかなくては。当然のことながら、部屋に帰るとすぐに就寝。この日は本当に疲れた。すぐに眠りに落ちていった。
# by cama-d | 2013-07-20 12:56 | Peru

Viaje en Perú -Dia 2 Lima~Cusco- (前半)

Viaje en Perú
Dia 2 Lima~Cusco
(27 Avril 2013)

結局寝たのか寝ないのかよくわからないうちに朝を迎えた。7:15までに朝食を取ってロビーに集合ということだったが、結局6時くらいには目が覚め(というか寝られず)、6:30くらいに朝食を取り、7時過ぎにはロビーに降りていった。前夜、一応全員6:00にモーニングコールをお願いしていたのだが、僕の部屋のモーニングコールが鳴ったのは6:15くらいだったか。聞けば、ほかの人はさらに遅かったりしたらしい。さすが南米である。

ロビーには、昨日のミゲル君ではなく、ホルヘ・正男君(確か)という若いガイドの子が来ていた。こちらの正男君だが、後で聞いた話では、一応ペルーと日本のハーフなのだが、大学卒業までは日本で育った完璧な日本人で、大学卒業後に異国であるペルーにお母さんといっしょにやってきたという経歴の持ち主である。つまり、大学卒業してから一生懸命スペイン語勉強したということで、実は僕らとあまり変わらない。まあでも頑張ってるので、陰ながら応援してます。

その正男君に引率され、一行はまた数時間前に乗ってきたミニバスに搭乗して空港へ向かう。10:00出発のクスコ行きの国内線フライトに乗らなくてはいけないので、9:00には空港に着いていたい。2時間弱というのはかなり安全策をとっての移動時間だと思うが、リマの渋滞を舐めてはいけないらしい。でも、この日は土曜日だったので、道路はそんなに混んでおらず、割とすんなり空港にたどり着いた。8:00過ぎくらいだったかと思う。

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バスを降りた僕らは、空港のカウンターへ向かう。正男君はガイドだが、航空券がないと空港のカウンターには入れない。ペルーはその辺の警備は厳しい。というわけで、僕らだけでカウンターに向かいチェックインすることになったわけだが、正男君はなぜか案内係のおばちゃんに「LAN」と言っている。つまり「LAN航空」ということだが、昨日の夜の説明でも、もらっているバウチャーでも、乗るのはPeruvian航空となっていたはず。でも、みんなそんなことはお構いなしというか、気にしてないのか、そのままおばちゃんに連れられて、LANのカウンターに向かおうとしている。これはまずいと思い、おばちゃんに、バウチャーを見せながら「No LAN. Esta es Peruvian.」(これ、LANじゃなくてPeruvianです)みたいなことを言ったら、「ああ、じゃあこっちよ」みたいな感じで、逆側に連れて行ってくれた。建物の外では、そんな僕らの様子を正男君がガラス越しに見ている。たぶん、状況がまったくわからないで、焦ってるんだろうな、かわいそうに。でも、これは正男君がちゃんと案内してくれなかったせいだから、仕方がない。

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まあそんなこんなで、僕らはPeruvianのカウンターに並び、一人ずつチェックインすることに。しかし、先に手続きしている男子が何やらコミュニケーションができずに困っている様子。仕方ないので僕がカウンターに行き、スペイン語でいろいろ仲立ちをしてやることに。どうも、この日の同じフライトに日本人が10数名予約しているらしく、僕らのグループの名前を全部聞きたかったらしい。まだこのときは、僕もグループの人達の名前なんて知らなかったが、ひとまず点呼して確認し、全員の名前を確認した。あと3人くらい日本人の名前が名簿にあったようだが、その人達は僕らのグループじゃない、ということを何度かやり合って、ようやく全員のチェックインが完了。皆さんチケットを受け取って、これでOK。係の人が「これで全員OK?」というので、OKだと思ったが、待てよ、僕はまだチケット受け取ってない。そのことを伝えると、「あー、君はもうちょっと待ってて。君はグループのリーダーだから、全員のクレームタグを発行するまで待っててよ。」というようなことを言う。はー、なんだか知らないけど、いろいろやりとりしているうちに、係員のお兄ちゃんから信頼されたのか? そういうわけで、僕だけ5分くらい待たされて、みんなの分のクレームタグをまとめて受け取り、チケットももらって、無事一件落着。なぜかいきなり添乗員みたくなってるんですけど!

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この一件以降、僕はツアーグループのみんなから「リーダー」と呼ばれることになる。なんか旅慣れてそうということと、スペイン語が話せるということで、あいつに付いていけば間違いない、というような暗黙の了解ができつつあった。チェックインカウンターの外では、先ほどの正男君がことの詳細を聞いたらしく、ほっとしたような顔をしている。実はもう9:00くらいになっていて、あまり時間の余裕はなかったのだが、昨晩お金を両替してなかった人達が現地通貨ソルに両替したいというので、少し待つことに。しかし、両替も結構時間がかかる。まあこれがツアーだ。待つしかない。

ようやく両替が済んで、搭乗ゲートへ向かう。日本の国内線ではペットボトル持ち込みNGだと思うが、ペルーは国内線はOKらしい。グループの何名かがそれを知りたかっていたので、係員に聞いてみると、大丈夫だという。しかし、国内線でもやっぱりセキュリティチェックを抜けるまでに長蛇の列。結構時間ギリギリだなーと思いつつ行列を待ち、搭乗ゲートにたどり着いたのはすでにフライトまであと30分というような時間だった。ひとまず、全員の搭乗を確認して(だから、俺は添乗員か?と)、クスコ行きの飛行機に乗り込む。もうこの頃までに流れでみんなを引率するような感じになってしまった。とほほ。。


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やがて、クスコ行きの飛行機はほぼ時間どおりに飛び立った。わずか1時間程度のフライトだったが、ちゃんとコーヒーとお菓子が出た。隣の席は同じツアーの人だったので、いろいろ旅に関するおしゃべりをしながらすごす。あっという間に着陸になり、アンデスの山間の小さな町が眼前に見えてきた。ここがクスコだ!

クスコという街は、標高3399mという高地にある。富士山の頂上近くの標高だ。これに対して、先ほどまでいたリマは海岸沿いの標高ほぼ0m地点である。これくらいの標高差を一気にジャンプアップしてくると、当然ながら飛行機を降りたときのギャップがすごいことになる。気をつけないと高山病になるので、飛行機からはとにかくゆっくり降りろとガイドのミゲル君や正男君にも言われてきた。そのことを反芻しながら、飛行機をゆっくり降りる。しばらく待って荷物を受け取り、外に出ると、ものすごく眩しい日差しが目を射る。そして、そのまばゆい光の奥には、青い山々が連なる。これがクスコの第一印象だ。すでに、僕以外のメンバーはみんな外に出ていて、現地のガイドと落ち合っていた。僕もそこに合流し、ガイドの先導のもと、ホテルへ向かうミニバスに乗車する。

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クスコの現地ガイドは、名前は忘れてしまったが、現地のインディオの風貌をした肌の浅黒い人だった。説明では英語ガイドと聞いていたが、この人も、たどたどしいながらも、ちゃんと理解できる日本語を話す。日系のミゲル君や正男君はともかく、おそらくまったく関係ない現地人であるこのガイドさんまで日本語が話せるなんて、ペルーって改めてすごいと思った。それだけ日本人が訪れるということなんだろう。おかげで、このツアーもかなり楽しいものに(特にほかのメンバーにとっては)なったと思う。

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ミニバスから眺めるクスコの街は、思っていたよりもずっとキレイで整っていた。山は近く、四方にそびえている。要は盆地のような土地だ。そして、富士山の頂上レベルの高地である。日差しはまぶしく、風景すべてがやたらクリアに見える。こういうところで写真を撮ったら、何でもかんでもキレイに写るはずだ。ガイドさんの簡単な説明を受けながら、バスは20分くらいでクスコの中心街に着き、やがて狭い道を抜けて、今夜泊まるホテル「ムナイワシイン」に着いた。

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「ムナイワシイン」は、非常にいい雰囲気のホテルだった。スペイン風のパティオがあり、各部屋はこのパティオに面するように出入り口や窓が作られている。パティオはガラスのサンルーフで仕切られ、陽の光が差し込んでくる。そこにはソファやテーブルが並んでいて、ちょっとくつろぐのに最適だった。到着して、チェックインをガイドさんがやってくれている間に、僕たちにはコカ茶がふるまわれた。コカの葉をお湯に浸しただけの簡単なお茶だが、意外に美味しい。コカの葉は高山病予防にも効くと効いていたので、みんな喜んでコカ茶を飲む。このホテルに限らず、ペルーでは、ホテルのロビーで自由にコカ茶を飲めるようになっているのだが、このサービスはなかなかありがたかった。

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やがて、各自に部屋のキーが渡され、この日のツアー内容が伝えられる。この日は、1~2時間の休憩の後、13:20に再びこのロビーに集合し、クスコ市内と周辺を巡るミニツアーに出かける予定だ。それまでは自由行動で、お昼ご飯も食べるならホテルのレストランなどで食べることができたが、ほとんどの人はそんなことより眠気が勝ってしまって、少し昼寝をしたいという気分だったろう。昨日もほとんど寝ていない。高山病予防のためにも、少し寝ておきたいというところだ。僕も少し寝たかった。部屋に入ると、ベッドに倒れ込んで少し眠った。

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(後半に続く)
# by cama-d | 2013-07-16 23:30 | Peru

Viaje en Perú -Dia 1 Narita~Atlanta~Lima-

Viaje en Perú
Dia 1 Narita~Atlanta~Lima

(26 Avril 2013)

ペルーに行こう。そう本気で思ったのは、今年の3月に入ってからだった。でも、なぜ急にペルーへ行こうと思ったのか。

実は、僕にとって、ペルーという国はそれほど近い国ではなかった。元々ラテンアメリカが好きで、この4年間は立教大学のラテンアメリカ研究所に通い、いろいろなことを勉強してきた。その中で、自分で勝手に「修学旅行」と銘打ち、ここ数年は、毎年のようにゴールデンウィークにはラテンアメリカへと飛び出している。要は実地検分である。習ったばかりのスペイン語を試してみたいということもあった。

まず初めに行ったのは、やっぱりアルゼンチンである。アルゼンチンはもちろんタンゴの故郷であり、僕がもっとも行きたかった場所だ。そこへ行くのには何の問題も戸惑いもなかった。帰り際にはもうひとつ行きたかった場所であるブラジルのリオにも寄ることができ、大満足のうちに旅を終えた。そして次に僕が向かった場所はメヒコだった。実は、僕は元々メヒコにそれほど強い関心があったわけではない。ただ、ラテンアメリカの歴史などを学ぶにつれ、メヒコという場所の重要性がどんどん増していった。よくよく考えてみれば、そこにはアステカやマヤの遺跡もある。そして2012年は、マヤ暦が終わっている「最後の年」だった。これは行かねばなるまい、ということで、半ば勢いで飛び出したのが、昨年のことだ。

そして今年、3回目のラテンアメリカ行きで考えた場所がペルーだった。なぜペルーだったか。ひとつには、前年にスペイン語を習っていた先生がペルー人だったこと。その先生は、僕がまったく知らなかったペルーという国の扉を少し開けてくれた。そして、ひとつには、前年にアステカ・マヤ文明の遺跡を巡ったため、次はやっぱりインカだろうという必然性のようなものを感じたこと。そして、もうひとつは、マチュピチュやチチカカ湖、ナスカといった、かつて夢見た場所がそこにあったことを思い出したことである。特に、最後のマチュピチュやナスカに代表される一大観光地というのは、おそらく10人に聞けば10人ともが「いつかは行きたい」と答える場所である。僕もぼんやりそう思っていた。「いつかは・・」と。でも、よく考えたら、僕もすでに40歳を超えている。正直あと何回海外旅行に行けるかわからない。特に標高が4000mレベルの高地とか、登山を伴う山岳地域とかは、足腰が丈夫なうちでないといけなくなるのではないか、そんな気がしてきた。であれば、ラテ研最後の年の卒業旅行としてペルーに行こう。地理的にも、カリブ海沿いのメヒコ、太平洋側のアンデス地域であるペルー、大西洋側のアルゼンチンとブラジルというように、バランスが取れる。ほかにも行きたい場所がなくはないが、ひとまずこの3か所を押さえれば、何となくラテンアメリカを俯瞰できる。そんな理由から、僕は今年のゴールデンウィークにペルー行きを決めたのだ。

思い立ってからの行動は早かった。まずは格安航空券を調べる。しかし、ペルー行きのフライトは結構埋まっているようだった。ペルーに行くためには、一度アメリカ合衆国でトランジットする必要がある。乗り換える都市としては、LA、NY、アトランタ、マイアミといった都市があったが、ゴールデンウィーク前後のフライトはやはり混み合っていた。そこでダメ元でツアーを探してみた。僕は海外旅行でツアーをあまり使わない(だいたい一人旅だから)のだが、探してみたら一人旅用ツアーというのがあって、いわゆる追加料金なしで、ホテルの一人部屋が使えるという。確かに個人で手配するよりも数万円高めになるが、いろいろ調べてみると、現地の旅行会社で向こうのツアーに申し込んでも、それほど変わらないことがわかった。そもそもラテンアメリカは、交通の便が不便な場所が多く、公共交通機関を使った旅はできなくはないものの、結構なタイムロスになることを、これまでの2回の旅で僕は学んでいた。せっかく遠いペルーまで行くのに、無駄な時間は使いたくない。できる限り効率よくあちこちを回ろうと思ったら、やはりバスが使えるツアーが断然便利だ。ツアーなら、車の手配をいちいちする必要もないし、ホテルを探す必要もない。バスに乗り遅れるとかそんなこともないはずだ。いろいろな場所のチケットも込み。さらには朝食とか昼食とかもセッティングされている。これは楽だ。これだけのいろいろを自分で手配することを考えたら、数万円の手数料を払っても割に合う。そう思った僕は、この一人旅ツアーというものに参加することにした。

実は、僕は3年前にアルゼンチン~ブラジルの周遊旅行に行った際も、このようなツアーに申し込んでいた。しかし、現地に着いてみると、ツアーの同行者はおらず、ツアーと言っても、僕の一人旅+ガイドさんということになった経験がある。だから、今回ももしかすると、行ってみたら僕一人とかだったりして、という思いはあった。そもそもゴールデンウィークとは言っても、往復だけで3日くらいかかるラテンアメリカはそれほど人気がない。ペルーだって、まあそんなもんだろう。それくらいに思っていたのだ。しかし、その考えは大きな間違いであることを後になって知ることになる。

日程の都合で、ゴールデンウィークを1日前倒しにして、金曜日の午後、成田からデルタ航空のアトランタ行きに搭乗する。座席は右側3列シートの窓側。隣には日本人の若いカップル(あまり海外旅行に行ったことのなさそうな感じ)が座った。それにしても、ペルーに向かう日本人は多そうだ。みんなガイドブックを見ているから、行き先はわかる。中には、いわゆる添乗員随行のパックツアーの方々もいて、結構高齢な方々も多そうな感じだ。これまでラテンアメリカといえば、バックパッカー的な人しかほぼいなかったことを考えると、ペルー行きの飛行機は何というか、非常に日本人満載である。ペルーって日本人に人気あるんだなーと改めて思った。


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さて、飛行機は特に問題もなく、13時間ほどのフライトを続け、経由地であるアメリカ合衆国のアトランタへと向かっていた。このアトランタで、リマ行きの飛行機に乗り換えるわけだが、この乗り換えには若干の不安があった。というのも、トランジットの時間が1.5時間くらいしかない。あの9.11以降、アメリカの出入国管理は異様に厳しくなっていて、以前ニューヨークへのフライトで入国審査に時間がかかり、国内線に乗り継げなかったことがあったのだ。以降、アメリカでのトランジットは1時間では絶対無理。2時間あってもセーフタイムとはいえない、というのが僕の考えなのだが、今回は1.5時間程度。結構時間に余裕はない。

飛行機はアトランタの国際空港にオンタイムで着陸した。しかし、何かのトラブルなのかなかなか降機できない。ここですでに15分くらいのタイムロス。降機したら急いでイミグレに向かう。ほとんどが成田からの乗客で、なかには海外旅行慣れしてないおじさん、おばさんもたくさんいる。案の定、イミグレで英語がわからず、そのたびに日本語がわかるスタッフがあちらこちらの窓口に呼び出される。しかし、スタッフは1人だけなので、なかなか進まない。しかも、何となくではあるが、この空港の係員はやる気のなさそうな感じに見える。動作もなんだかもっさりしていて、なかなか列が進まない。時計を見ると、ボーディングタイムまではすでに20分程度。なんだかイヤな予感がしてきた。でも、この飛行機に乗ってきた、おじさん、おばさんを含む多くの乗客がリマに向かうはずだ。僕はともかく、この団体旅行のおじさん、おばさんははたして間に合うのか?? 

そうこうしているうちに僕の順番が来た。まあたいしたことは聞かれず、行き先を聞かれたくらいでパス。急いでボディチェックを済ませ、再度入場。しかし、この空港も、アメリカのほかの空港と同じく、結構広い。リマ行きの飛行機は、ターミナルが離れた場所にあり、空港内の地下鉄で向かう仕組みだ。これではお手上げである。もうボーディングタイムまで10分だが致し方ない。やがて、地下鉄が来てターミナルを移動し、リマ行きのボーディングゲートに着いたのは、ボーディングタイムからすでに10分経過した時間だった。これでも、着いたのは早いほうで、ほかの日本人乗客はこの後でぞろぞろとやってくることに。先ほどの団体旅行グループも何とか間に合ったようだが、結構シビアなトランジットだった。

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というわけで、何となくバタバタとトランジットを済ませ、リマ行きのデルタ機に乗る。さすがにリマ行きの便はペルー人らしき人が多く、CAも一気にラテン系になる。ラテン系のCAは結構気さくでやさしいので好きだ。女性は美人も多い。そして驚いたことには、このアトランタ発リマ行きの飛行機にも、日本語がわかるCAが搭乗していたこと。日本語でのアナウンスをはじめ、日本語でのいろいろなリクエストなどに応えていた。ほかの中南米に行く飛行機で、こんな経験したことがない。さすがペルーは日本人に人気の観光地なのだなあと、またしても感心したのだった。

アトランタからリマまでは9時間程度のフライトだった。それでも機内食2回と、おやつ1回が出て、ちょっと食べ過ぎだろという感じだった。アトランタを出たのが、現地時間の13時くらい。リマに到着するのが、時差もあるが、夜の22時というところ。日本を出てから、25時間くらいの長旅であるが、それでもブエノスに行くのに比べたらだいぶ近い。飛行機はカリブ海を南下し、コロンビアを抜け、ペルー上空へ。そして定時の22時すぎに、飛行機はリマのホルヘ・チャベス国際空港に到着した。

この時間なので、空港も空いているかと思いきや、意外に空港はごった返していた。どうも、この時間にアメリカ方面から到着する飛行機が多いようで、結構多くの乗客がイミグレに列を作っている。どう考えても、1時間はかかりそうな長蛇の列だ。今回は、ツアー参加なので、空港を出たところでツアー会社のドライバーが待っているはずだが、これではどうにもならない。やれやれと思いながら、ひたすらイミグレの列をのろのろ進む。さすがに長旅の後でもあるしイライラするが、これがラテンなのだ。慣れるより仕方ない。だいたい、ツアーなんで、僕が出てくるまでは絶対待っているはずだ。こういうところは、個人手配じゃなくてよかったのかもしれない。

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待つこと1時間くらい、ようやくイミグレを抜け、スーツケースをピックアップし、出口へ向かう。出口の前に両替所があったので、ひとまず手持ちのドルを当面の分、100ドルだけ両替する。この後タクシーを呼ぶ必要はないが、明日も朝早いはずなので、最低限、水くらい買えるお金は持っておきたかったのだ。しかし、なんだか騒がしい。時折歓声のようなものが聞こえてくるのだが、何かスポーツイベントでもやっているのだろうか。

出口を出ると、すぐにツアーの出迎えが見つかった。行ってみると、まだ僕のほか2人くらいしか来ておらず、まだ6名くらいいるのだという。「イミグレが混んでたでしょ?」と聞かれたので、「すごく混んでましたね」と答えると、「いつもそうなんです」と、旅行会社の人。どうやら、ここリマのホルヘ・チャベス空港は、イミグレに時間がかかる空港のようである(別に厳しいわけではない)。まあこういうところも、ペルー人の国民性なんだろうか。そして、出口のところを見ると、若い女の子達が集まって奇声を上げている。なんでも、韓国のアイドルグループ「SUPER JUNIOR」というのが、チリから今日ペルーへ移動してくるんだそうで、その出迎えのファン達とのことだった。ああ、こういう光景は日本だけではないのか。それにしても、韓流の人気は国際的のようである。結局、SUPER JUNIORは出てこなかったようだが、こんな夜遅くまで女の子が出歩いてるなんて、ペルーって国は相当安全なようである。結局出口で1時間くらい待って、最後の人が集まったのは、すでに日付が変わった0:30くらい。こういうところはツアーのめんどうなところである。足は確保されているので心配はないが、早くホテルに行って眠りたい。でもここは団体行動。個人の一人旅とは違う。

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全員そろったところで、駐車場のミニバスに向かう。待っている間にミネラルウォーターを買ったのだが、バスに乗るなり、ミネラルウォーターが1人1本支給された。何だ、だったら買わなきゃよかった。どうも今回のツアーのメンバーは、僕も入れて男3名、女6名の計9名らしい。比較的若い女の子が多い。なんだか僕のイメージしていたラテンアメリカ旅行とは違う感じだ。何しろ、3年前のアルゼンチンへの旅行の際には、ツアーと言っても僕一人しか参加していなかった。ゴールデンウィークくらいの期間で旅行するのには、南米は遠すぎるし、日本人には不人気なのかと思っていた。やはり、ペルーは違う。

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ホテルのあるミラフローレス地区は、空港とは街を挟んで逆の方向にある。すでに深夜で交通量は多くないとはいえ、ホテルまで30分くらいはかかる。その間、同情していたガイドのミゲルさんから、ツアー中のいろいろな説明を受ける。ミゲルさんは、日系ペルー人だが、日本語はペラペラだ。なんだかこう異国に来た緊張感があまりない。それもペルーならではなのか。説明の中で、ペルーはドルも結構使えるという話を聞く。だったら、あまり両替しなくてもよかったかもなーと思う。まあ、それほど多くの金額ではないので、すぐに使ってしまうだろうとは思うが。

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やがて、バスはミラフローレス地区のホテルへ到着。まずはロビーに集まり、明日以降のスケジュールや、必要なバウチャーなどの入った書類を渡され、説明を受ける。説明が終わった頃には、すでに2:30くらいになっていた。明日は6時出発ということで、5時起きで朝食というスケジュール。となると、寝られるのはあと3時間くらいか。明日は飛行機で一気に3399mの高地、クスコへ向かう。高山病には十分な睡眠が重要と、さっきバスの中で聞いたばかりなのだが、これではどうしようもない。いやいや、ツアーって結構過酷だな。

もらったカギをもって部屋に行き、軽くシャワーを浴びてこの日はとにかく寝る。とはいえ、時差ぼけとか、隣の建物あたりから響いてくるディスコテカの音とかであまり寝付けない。でも何とか寝ようと頑張る。それが、僕のペルー1日目の出来事だった。

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# by cama-d | 2013-06-30 22:55 | Peru

Viaje en Mexico 2012 Dia 9

9日目(Ciudad de Mexico D.F.)
(5 Mayo 2012)

どんよりした灰色の雲が垂れ込めていた。メヒコに来てからこんな天気は初めてである。しかも、ここは大都会メキシコシティ。この旅の初めに、すでにここで2日以上を過ごしており、もうそれほど見るべきものもない。そもそもこの1日は、この旅の予備日のようなものだったので、そもそも何をすべきかなどまったく決めていなかった。それも、昨日までけっこう濃いユカタン半島へのショートトリップを終えた後である。正直、この街で1日過ごす意味はあまり感じられなかった。

でも、これが最後のメヒコの1日である。なんとか有効に過ごそう。そう思って、空港近くのホテルを後にメトロに向かう。メトロもすでに慣れたものだ。約1週間前にここに来たときとはまったく感覚が違う。あのときは夜ということもあって、かなり警戒していたな。でも、今はそんなことはまったくなくなっていた。メヒコという土地に、僕の身体はもうすっかり慣れてしまったかのようだった。

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メトロで向かったのは、メキシコシティの中心地「ソカロ」である。ソカロにはすでに何度も足を運んでいるが、1週間前は土日だったこともあり、また、いろんなトラブルがあったこともあり、実はソカロ周辺の観光スポットには、カテドラルくらいしか訪れていなかったのだ。そこで、今日はソカロに面する宮殿と、「テンプロ・マジョール」という、元々アステカ時代にこの地にあった宮殿の跡地の遺跡をまずは見ることにした。まずは宮殿。ここは今でも政治の場として利用されている建物ということで、入場は無料だが、セキュリティは厳しい。持っていたバッグはコインロッカーに預けなくてはいけないということでロッカーに預け、カメラだけを持って中に入る。この宮殿は、アステカの征服者コルテスが、アステカの宮殿を破壊したその場所に建てた、カテドラルと並ぶ権威の象徴である。もちろんその跡はここにはないが、この宮殿ですごいのは、階段のところに描かれているディエゴ・リベラの壁画「メキシコの歴史」だ。何度かテレビなどで見たことはあったが、実際に目の当たりにすると、思ったよりも全然大きく、迫力がある。そういえば、メヒコに来てから壁画の類いはほとんど見てなかったな。ひとまずはその大きさと迫力に圧倒される。奥の方には、この場所が政治の中心地として機能としていた頃の議事堂などもあり見学できたが、こちらは写真撮影不可。結構厳しいのだ。

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中庭を通って外に出、カバンをピックアップしてから。今度は宮殿のほぼ隣に位置する「テンプロ・マジョール」に向かう。先ほどの宮殿も、この隣にあるカテドラルも、元はと言えば、このテンプロ・マジョールのあった場所に建てられた建物である。征服者であるスペイン人は、アステカの都「テノチティトラン」にあった宮殿を徹底的に破壊し、その石材をもって、その場所に宮殿とカテドラルを建設した。いわば「徹底的な破壊」と「権力の継承」である。だいたいにおいて、スペイン人の中南米侵略はこのような形で行われた。その象徴がこのメキシコシティのソカロ周辺であり、テンプロ・マジョールということなのだ。

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テンプロ・マジョール自体は、遺跡としては、これまで見てきたような巨大遺跡と比べると規模が小さい。と言うのも、本来であれば、このソカロ自体が巨大な遺跡なので、テンプロ・マジョールはそのほんの一角に過ぎないのだ。それでも、当時の遺跡の片鱗は見ることができ、非常に興味深い。遺跡そのものよりも中にある博物館がおもしろい。ここでは、ここメキシコシティの元の形であるテノチティトランに関するさまざまな展示がなされており、見せ方も上手い。博物館の中央には吹き抜けのスペースがあるのだが、ここに置かれている石像は、上から見るとその全体像がよくわかり、さらに時折照明が変化することで、色鮮やかに着色されるという仕掛けがなされている。博物館であっても非常にエンターテインメント性が強く、楽しめる場所だった。

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テンプロ・マジョールを見終わると、ここで見るものはなくなった。すでに時間もお昼くらいになりつつあったので、早めの昼食を取ることにして、裏通りのほうを歩く。すると何やら気になる店を発見。ガイドブックを見ると、そこにも載っているお店だった。名前は「Potzollcalli(ポソルカリ)」。入ってみると、思っていたよりもカジュアルな感じのお店だったが、それはそれでいいだろう。いろいろ悩んだ末に、「Pollo en Mole(ポジョ・エン・モーレ)」を頼むことに。メヒコを代表する料理で、鶏肉にチョコレートをベースに作ったモーレソースがかかっているというものだ。チョコレートソースって、、という気もしたが、まあものは試し。食べてみることに。しかし、出てきた「Pollo en Mole」を実際に食べてみると、このソースどこかで食べたことのある味だな、と思った。何だろうとしばし記憶をたどってみたが、思い当たった一番近い味は、名古屋の八丁味噌である。あの感じに近い。あの八丁味噌のような独特な香りがあって、なかなか美味しい。味噌カツを食べているような感じと言えば、近いだろうか。日本人の舌にも意外に合うので、メヒコに行ったらぜひ試してみてほしい。

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さて、午後はどうしようか。レストランでいろいろ検討した結果、少し中心地からは離れているが、景勝地として名高い「ソチミルコ」に行ってみようということになった。ソチミルコに行くには、メトロ2号線の終点まで行き、そこから路面電車に乗り換えてさらに終点まで行く必要がある。とはいえ、市内なので、そんなに時間がかかるとは思っていなかったが、実際に行ってみると、結構遠かった。メトロの終点まで行くのに20分くらいはかかり、そこから路面電車(トラム)に乗り込むのだが、実はそこでまたもやトラブル。なかなかトラムが来ず、しかも結構ホームは人でごった返していた(後で気がついたのだが、この日は途中にあるアステカスタジアムで、地元のサッカークラブの大事な試合があった)。ようやくトラムが来て、ほぼ満員電車という感じになったのだが、しばらくして、誰かが「降りろ、降りろ!」と叫びだし、乗っていた乗客が一斉に降り出す。僕も続いて外に出てみると、何とトラムから白い煙が! 一瞬あたりは騒然としたが、幸い爆発などはなく、トラムはほかのトラムに曳かれてどこかへ移動。もちろん、次のトラムはしばらく来ず、しかも先ほどよりも混雑が増している。そんなわけで、トラムの旅は最初から最後までほぼ座れず、立ったまま、30分くらいの旅となった。うーん、さすがメヒコ。

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で、肝心のソチミルコだが、僕もあまり事前情報を持っていなかったこともあるのだが、有名な水路を誰でも見られるような場所ではなかった。水路の近くに行くと、たくさんの船着き場があり、そこには遊覧船を運営する船屋がそれぞれ営業しているのだが、しばらく回ってみて気づいたことは、結局それらの遊覧船に乗らないと、ソチミルコの水路を楽しむことができないということだった。そもそもソチミルコでこういう船遊びを楽しむのは、基本的に団体でないと無理。要するに、日本の屋形船と同じだ。一人旅の僕が来て、楽しめるようなところではなかったのだ。着いた時間もすでに夕方で、観光客も少なく、相乗りで乗れるような雰囲気でもなかったため、船乗りは断念。ぐるっと街を回っただけで帰ることになった。うーん、なんだか時間をロスした。どうも、僕はここメキシコシティとは相性が悪いらしい。

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帰りも同じメトロで帰る。途中のアステカスタジアムには、すでに多くのサポーターが集結しており、なかには貸し切りのバスから旗を振ってアピールしている者もいる。まあ楽しそうなんだけど、僕はメヒコのサッカーは全然知らないしな。メトロの終点まで行くと、もうサポーターだらけで、すでにここから応援歌を歌ったり、太鼓を叩いたりの臨戦モード。さすがはサッカー大国である。そんなサッカーサポーターを横目に見ながら、僕は再びセントロへと戻っていった。

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この頃、すでに外はかなり暗くなっていたのだが、そのうち雨がポツポツと。メヒコで雨を見たのは初めてである。セントロでは、先日行ったアキバビルにもう一度行ってみようと思い、そのそばのメトロの駅で降りたのだが、その頃には雨が本降りになっていて、ビルに着く頃には結構濡れてしまった。まさか降るとは思ってなかったので傘も持ってないし、アキバビルも一通り見たら、もうすることがなくなってしまい(モチベーションも下がってしまい)、外に出るのもおっくうなので、そのままメトロでホテルに帰ることに。旅の最後がこんな雨で、ちょっとつまらない感じになってしまったけど、逆を返せば、僕はすでにメヒコを十分に満喫したということなのだろう。この辺が潮時なのだ。そう思うと不思議に思い残すことはなかった。

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昨日と同じく、空港のコンビニでセルベッサとおつまみを買い込み、ホテルの部屋で一人、メヒコ最後の夜をゆっくりと過ごす。ここまで結構慌ただしい1週間だったから、最後はこういう夜もいいか。テレビで先ほどのアステカスタジアムでやっているサッカーを見つつ、セルベッサで観戦。これで、僕のメヒコの旅は終わった。

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# by cama-d | 2013-06-01 23:40 | Mexico

Viaje en Mexico 2012 Dia 8

8日目(Cancún~Ciudad de Mexico.D.F.)
(4 Mayo 2012)

カンクン。
紺青の空と、白い雲と、水色の透き通ったカリブ海の海。白い砂浜のビーチが長く延び、爽やかなカリブの潮風がほほをなでる。

そんな、まるで夢のような光景の中に、僕はいた。いや、本当にいたのだ。朝目覚め、ホテルの窓にかかるカーテンを開けると、そこには、昨晩は暗くてまったく見えなかった海が目の前に広がっていた。一瞬、我が目を疑った。素晴らしい光景である。ビーチである。リゾートである。カリブ海である! 僕はついにこんなところまでやってきてしまったのだ。これまで、メキシコシティを出てから4日間、夜行バスに揺られ、ジャングルの中の遺跡を巡る旅をしてきた僕にとっては、何か別次元の光景だった。次第に笑みがこぼれる。そうだ、ここはカンクン。カリブ海随一のビーチリゾートなのだ!

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僕はすぐに部屋を出て、ホテルからビーチに通じる階段を降り、砂浜に向かった。まだ陽は、東側に広がるカリブ海から昇り始めたばかり。まだ空気は朝のすがすがしさをたたえており、海から渡ってくるやや強めの風がさらに心地よさを倍増させていた。僕は長く延びる白砂のビーチを南側に向かって歩いた。カンクンの砂州の上に作られたリゾートホテルがずっと向こうまで続いている。これらのリゾートホテルに宿泊した者の特権として、このビーチは解放されている。つまり、ここは共有のプライベートビーチなのだ。まだ朝早いからか、ビーチにはほとんど人影もない。このビーチを僕は独り占めしている気分だった。気持ちいい。ここまで気持ちいい経験は久々だ。そして、この眼前に広がるカリブ海の美しさと言ったら! 僕はビーチリゾートというものにとんと縁がない人間で、これまでハワイにも、沖縄にさえも行ったことがない。行ったことがあるとすれば、若い頃にそうとは知らずに迷い込んだスペインのコスタ・デル・ソルのマルベージャか、南米ブラジルのリオ・デ・ジャネイロにあるコパカバーナくらいなものだ。それらと比べても、ここカンクンの海はある意味で素晴らしかった。バックパッカーの身でリゾートホテルはどうかと思ったが、これだけで来てよかった、泊まってよかったと思えた。もちろん、恋人と来るのがベストだとは思うが、まあそれはまたのお楽しみということで。

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しばし浜辺の散歩を楽しんだ後、いったん部屋に戻り、しばしダラダラする。この日は、夕方カンクンの空港からメキシコシティに戻る飛行機に乗るだけしか予定はなく、それまでの時間は何をするかまったく決めていなかった。カンクンの街を楽しむのもいいだろうし、時間があれば近くのトゥルム遺跡まで足を伸ばしてもよかった。ただ、トゥルムまでは2~3時間かかるようだし、そうすると慌ただしく荷物をまとめて出発しなくてはいけなくなる。それに、遺跡はこれまでにもう十分に見たという感じもあった。どうせここまで来たのだ。ビーチを楽しもう。カンクンを楽しもう。そう思って、今度は水着に着替え、再びビーチに出た。

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すでに時間は8時を回っていたが、ビーチにはまだほとんど人がいなかった。こういうリゾートでは、人々は遅くまで寝て、遅く朝食を取り、そして午後ゆっくり遊んで、さらに夜も遊ぶのだ。こんな朝早くからビーチで泳いでいる人間などいない。でも、僕はお昼前にはホテルを出る予定だった。それに、すでに海は十分に温かい。水遊びをするには最適な気温だった。ちょっと波は高かったが、僕はカリブの海に飛び込んで、水とたわむれた。こうやって海水浴をするのも何年ぶりだろう。遠浅の砂浜は、水際から少し先に行って腰掛けても波が腰を洗う程度。寄せては返す波が心地いい。そして、このカリブの海の美しさよ。まさにエメラルドブルーという感じのキレイな水色に染まった海。そこに今いるというだけでも、これだけ幸福な気持ちになれる。カリブ海、あなたは本当に美しい。天国というところがあれば、きっとこんなところに違いない。それくらいに思える光景の中で、僕は海とたわむれていた。

そうやって十分カリブの海を堪能し、ホテルの近くのショッピングモールなども軽く物色したりして、僕は朝の時間を過ごした。でもまだ10時くらい。まだ少しばかり早かったが、ここですべきことももうなかったので、ホテルをチェックアウトして、バスに乗り、旧市街のセントロ(ダウンタウン)へと向かった。

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旧市街のセントロは、先ほどまでいたホテルゾーンとはまったく世界が違っていた。こちらは完全にメヒコの街で、向こうは完全にUSAだ。少し移動しただけで、ひとつ国をまたいだくらいのギャップがある。これがカンクンという街の本当の姿だ。物価もこちらとあちらでは2~3倍違う。僕の泊まっていたホテルのレストランでは、朝食のビュッフェが1,000円くらいしていた。でも、こちらのセントロなら200~300円くらいで朝食が食べられる。こちらがメヒコの標準。あちらがリゾート価格というわけだ。

ひとまずバスターミナルに着いた僕は、荷物を預け、身軽になる。少し早いが、朝食もまだ食べていなかったので、早めのランチに向かうことにした。少し離れたところにある「28市場」というところに、「El Cejas」というシーフードが美味しそうなレストランがあるというので、ターミナルから歩いて向かう。若干距離はあったが、地図を見ながら行ったので迷わずにたどり着いた。お土産物屋の呼び込みを断りつつ、目指す「El Cejas」を探す。ちょうど市場の中央当たりにその店を見つけた。まだメヒコの時間ではランチに早い12時くらいの時間だったので、お客さんはまばらだったが、僕は魚のソテーと、魚介のセビッチェ、そしてセルベッサ「Modelo Especial」を頼む。メヒコに来てから、いろんなセルベッサを試したが、有名なコロナよりも美味しいセルベッサがたくさんある。この「Modelo Especial」もそうだ。やがて、やってきたセビッチェは、これまた1人では食べきれないほどの量。僕はセビッチェが大好きなので、つい前菜で頼んでしまうのだが、これは多い! でも美味しいから結局食べちゃいました。その後、魚のソテーが来たけど、どっちかだけでよかったかも。でも、せっかくカンクンまで来て、シーフードの美味しいレストランまで来たんだから、食べなきゃ損損。どちらも美味しくいただきました。それでも、きっと払った料金は、ホテルゾーンのハンバーガーランチくらいじゃないかな。やっぱり僕はこういう場所が好きだ。

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そんな感じで、気持ちよく昼食を終え、ひとまずバスターミナルまで戻ろうかと歩き始めたのだが、ここで予期せぬ事件が起こる。何と、道に迷ってしまったのだ。僕は、かなり方角には敏感で、どこの街に行っても日中ならまず迷わないという自信があるのだが、先ほどの28市場で、入ったのと違う出口から出てしまったのが悪かったようで、そこが予想していた方角と違ったためか、行けども行けども知っている道に出会わないという状況に陥ってしまった。持っていた地図もそのあたりのエリアまでカバーしておらず、しかも悪いことに、このあたりの道路は碁盤目状ではなく、やたらと曲がっていた。それでも、何とかこの状況を脱しようと、脳内であらゆるシミュレーションをして、来た道を戻ったり、別の方角に曲がったりしたのだが、なぜかどんどん街の中心から離れて行っているような気がする。しかも、すでに太陽が高く昇っており、じりじりと暑さがこたえるようになっていた。こうなると、やたらと人間、不安になってくる。1時間くらい突破口を見つけながら歩いたが、体力は消耗してくるし、飛行機の時間も気になってきた。ひとまず、近くの人に聞こうと思って、銀行のガードマンらしきお兄さんに、ここがどのあたりなのか、バスターミナルはどっちなのか聞いてみたが、どうも要領を得ない。最終的には「すごく遠いからタクシーに乗れ」と言う。まあそれもそうだが、何となくそれは最終手段という気がしていた。そこで、近くのバス停に停まったバスの運転手に、このバスはターミナルまで行くか?と聞いたところ、「Si.」という。これでひとまず助かった。バスに乗り込み、町並みを眺めつつ、今自分がいる場所がどこなのかを確認しようとするが、結局よくわからない。そのうち、セントロらしい風景になり、バスターミナルの近くまで来た。どうやら歩いているうちに、本当に結構遠くまで行ってしまっていたようだ。降りるべきポイントが若干わからなかったのだが、運転手が降りろと手招きしている。「!Graciaz!」と礼を言い、バスを降りると、すぐ目の前にターミナルがあった。ああ、助かった。

結局1時間くらいロスしたが、14時くらいにはターミナルまで戻ってこられた。フライトは17時台だったが、そうなるとチェックインは16時まで、ターミナルからシャトルバスで空港まで30分かかることを考えると、それほど余裕はなかった。シャトルバスのチケットを買いにカウンターに行くと、次のバスはあと20分後くらいに出るという。慌ただしかったが、先ほどの件もあるし早めに行ったほうがいいと思い、そのバスのチケットを購入。喉が渇いていたので、珍しくコカコーラを買い、一気に飲み干す。メヒカーノはコーラが大好きだが、確かにこの国に長くいると、こういう飲み物が飲みたくなってくる気持ちもわからなくもない。

それからシャトルバスに乗って空港に向かった。予想どおり空港には早めに着いてしまったが、今日はハプニングもあったし、カンクン自体は予定よりもよほど深く体験したので、思い残すことはない。飛行機の出発までは少しヒマだったが、カフェなどを飲んで時間をつぶす。カンクンは国際空港だけあって、設備やショップはかなり豊富だ。本来なら、この旅はここで終わって、このまま帰国というプランもなくもなかったが、まあ初のメヒコということもあって、帰路の飛行機に間に合わないというシチュエーションだけは避けたかったので、1日マージンを取っておいたのである。まあ、結果的には杞憂で終わったが、何があるかわからないのがラテンアメリカだ。明日1日メキシコシティでフリータイムができてしまったわけだが、これは旅がうまくいったご褒美というかおまけとして楽に過ごせばいい。

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やがて飛行機の登場時間となり、国内便ということもあって歩いて飛行機へ向かう。利用したのはvolarisという低価格エアー。メヒコでも最近はこうした低価格の航空会社が増えてきたということで、カンクンからメキシコシティまでも確か7,000円くらいだったと思う。結構安くて便利だ。これまで4日かけてやってきたメキシコシティ~カンクン間もわずか1時間ちょっとで到着。久々に(と言ってもたかが5日だけど)着いた首都メキシコシティーは、やっぱり相当な都会に見えた。これまでの5日間の旅は、メヒコの田舎を巡る旅だった。ユカタン半島は、メヒコの中では「超」がつくほどの田舎だ。その旅は、大変なこともあったけど本当に楽しかった。ディープなメヒコを見てきたという感じもある。そして、僕は今、再び、首都メキシコシティーに帰ってきた。数日前にここを出たときとは、まったく感覚が異なっている。大都会メキシコシティー。あと1日、ここでどう過ごそうか。

この日の宿泊先は、空港そばのビジネスホテル。翌々日にはまた朝早めのフライトで帰国の途につくため、空港近くのほうが何かと都合がいいと考えたのだ。空港に着くと、歩いてホテルへ向かいチェックイン。周りにはあまり安くて美味しそうなレストランがなかったので(ホテルの中にはあったが、行く気にならなかった)、再度空港まで戻って、またもやコンビニでお酒とつまみだけを購入し、ホテルに戻って晩酌。メヒコは本当にどこにもコンビニがあって便利だ。夜はまだ浅かったが、ほかに何もすることがないので、この日はそのまま就寝。やっぱりソナ・ロッサあたりに宿を取ればよかったかなとちょっと後悔。

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# by cama-d | 2013-05-24 00:58 | Mexico